モリアオガエルの生活


モリアオガエルは、どのような生活を送っているのでしょうか?


モリアオガエルの一生

 
  卵

 モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝などに粘液を泡立てて作るで包まれた卵塊を産みつけます。





 繁殖期になると、まずオスが産卵場所に集まり、鳴きながらメスを待ちます。メスが産卵場所にやってくるとオスが背中にしがみつき、産卵行動が始まります。しかし産卵行動が激しくなるに連れて1匹のメスに数匹のオスが群がって産卵する様は、必見の価値ありです。




 産卵・受精が行われると同時に粘液が分泌され、この粘液を集まったオスメスが足でかき回し、受精卵を含んだ白い泡の塊を作ります。直径10-15 cmほどの泡の塊の中には黄白色の卵が300~800個ほど産みつけられます。泡は、表面が乾燥してまるで紙風船のような形になって、黄白色の卵塊となり、孵化するまで卵を守る役割を果たします。

    孵化

 約1週間ほど経って卵が孵化します。写真は、近所のモリアオガエルの池からひとかたまり採取してきたものを観察しているところです。

 孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下していきます。

 孵化したばかりのオタマジャクシは腹部に卵黄を抱えているため腹が黄色をしており、成長とともに卵黄が吸収され、全身が灰褐色となります。オタマジャクシは藻類や動物の死骸などを小さな歯で削りとって食べています。


※採取日から1週間後、室内では雨が降らないので、ジョーロで人工的な雨を降らせて孵化を促進させました。
 
   変態
※両生類の変態とは

 両生類では、幼生はいわゆるオタマジャクシ型をしている。えら呼吸をし、水中生活を行うが、成体は肺呼吸をし、手足が生え、陸上移動が可能な形態となる。これが両生類の変態である。カエルなどの無尾類では、これに加えて、変態の過程で尾が消失する。

 オタマジャクシは1ヶ月ほどかけて成長します。自然界でのこの間の天敵はヤゴ、ゲンゴロウ、タイコウチ、アカハライモリなどで、イモリなどは、幼生が泡巣から落下する時に、その真下で待ちかまえていて、落ちてくる幼生をぱくぱく食べるんだそうです。

 やがて前後の足が生えてカエルの姿になった幼体は上陸し、しばらくは水辺で生活しますが、やがて森林で生活を始めます。

   寿命
 「ヒキガエル」で1年から8年、埼玉の我が家の田んぼ周辺に多くいる「トウキョウダルマガエル」は、2年から4年、シュレーゲルアオガエルは、2年から4年と言われております。では、問題のモリアオガエルはと言うと、やはり2~3年と言うことですが、はっきりしたことは分かっていません。


モリアオガエルの日常生活

   分布・生活環境

 ウィキペディアによれば、「本州と佐渡島に分布する。離島については、伊豆大島に移入種として分布している。四国と九州の分布ははっきりしていない。」とあります。ここ伊豆大島のモリアオガエルが移入種であるならば、どこかに記述があるはずだと思い、ちょっと調べてみたら、ありました。

「大島町史・自然編」の中に、

 大正14年(1925)までいなかったカエルが何故ここまで増えたのか?「大島のモリアオガエルは昭和48年ごろ、泉津のSさんが、故郷の福井県から泉津に持ち込んだ2つの卵塊がルーツと思われます。というのも、Sさんが自宅で育てたモリアオガエルのオタマジャクシが、カエルに変態すると池からいなくなってしまった。1~2年すると泉津のあちこちでモリアオガエルの姿を見かけるようになった。そして今では、泉津の他、北の山、岡田、三原山の温泉ホテルまでも分布を広げています」。とあります。今では、全島分布となっているところを見ると、その繁殖力の凄まじきかなモリアオガエルです。ヽ( ゚д゚)ノ 、島内では、ヒキガエルも圧倒的な数で繁殖しているところをみると、この種も人為的に持ち込まれたとしか思えません。
 
    行動

 モリアオガエルの行動と一口に言っても、実際のところ、まだ良く分かっていません。繁殖池を中心に150メートル以上も移動したと言う文献もあり、まだまだ分からないことだらけのモリアオガエルです。
 ここ伊豆大島で捕まえたモリアオガエルですが、造作もなく捕まえることができました。意外にのんびり屋さん?樹上生活者らしく吸盤が良く発達していて、葉っぱから葉っぱへ枝から枝へとジャンプしては、吸盤でペタッと止まります。
    食べ物
 オタマジャクシは腹部に卵黄を抱えているため腹が黄色をしています。やがて卵黄が吸収され、全身が灰褐色となり、立派なオタマジャクシになります。オタマジャクシは、水中の藻類や動物の死骸などを小さな歯で削りとって食べます。モリアオガエルになったら、昆虫類(クモ,セミ等)を捕食します。
    捕食者
 天敵はヤマカガシ、イタチ、アナグマ、タヌキ
    冬眠
 
日本のカエルの場合、気温が10℃以下になるとエサは食べなくなり動かなくなります。野生の場合であれば、カエルの種類によって場所は異なりますが、田畑や庭や林などの落ち葉の下や土の中、池の底の泥の中、川の湿った土砂の中などで冬眠に入ります。


inserted by FC2 system